カマコンバレーの中の人になって分かった上手くいっている理由

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カマコンバレーをご存知でしょうか。

鎌倉を舞台に、「この街を愛する人をITで全力支援」を理念として、ITを使った地域活性を主として活動している団体です。

カマコンバレーHP

僕自身、いつの間にか深く関わるようになり、各プロジェクトを担当したり、カマコンバレー式の定例会を開催したい地方に出向き、定例会開催の支援までやっています。

今年だけでも、兵庫県丹波市、岩手県盛岡市、長野県白馬村、福岡県福岡市。次は富山県氷見市などなど。各地域に出向いてカマコンバレー式の定例会を開催しています。

kamacon

なんだか注目を集めている

設立から2年半ほどですが、メディア等にも数多く取り上げられており、注目を集めています。毎月開催する定例会には常時100名以上の参加者が集まります。全国から視察で訪れる方も多く、各自治体の行政の方もいらっしゃいます。

定例会への新規参加枠は人数制限があるのですが、2ヶ月先でないと参加できないような状況であったり、毎月1,000円の会費を支払っている会員数も200名に迫る勢いです。なんか、ちょっとおかしいです。

数多くある地域活動の中で、どうしてカマコンバレーがこれほど注目を集め、実際に人も集まり、さまざまなプロジェクトが行われ、各地方で開催されるようになったのか。僕自身が関わる中で気付いたことをいくつかまとめてみます。地域で何かをやりたいと考えている方の参考になれば嬉しいです。

FUKUCON※福岡で開催されたFUKUCONの様子

カマコンバレーとは

先ずはカマコンバレーの活動を知らない方のために、カマコンバレーの活動を簡単に紹介します。

カマコンバレーでは、津波が来たときに高いところへ逃げることを啓蒙する防災イベントや、お寺で座禅をし、ハッカソンを行う禅ハック、昔と今の写真を比較できるアプリの今昔写真の開発及びイベントの実施、由比ヶ浜海岸でまもり鳩となる砂像を作るプロジェクト等々。

さまざまな活動があるのですが、主体となるのは毎月行っている定例会です。定例会はブレストをする場と定義されています。具体的な流れは以下の通りです。

 

1,5組が5分間のプレゼンをする。プレゼンの最後に必ずブレストしてもらいたいテーマを発表する。(鎌倉で◯◯したい。鎌倉でやる予定の◯◯をもっと盛り上げたい等、鎌倉絡みに特化したプレゼン)

2,参加者は自分が興味を持ったプレゼンを選び、参加者同士でブレストする。(20分〜30分くらい。全員参加)

3,ブレストで出たアイデアを各プレゼンチーム毎に1つ発表する。

4,発表されたアイデアに対して、自分も関わっても良いという場合はその場で仲間になれる。(プロジェクトが走りだす)

 

大体こんな流れです。

この流れだけをみると、ITが関わる部分が皆無なのですが、実際にはプロジェクトが生まれた後に、資金集めとしてクラウドファンディングの仕組みを提供しているので、ITで全力支援もしています。

iikuni

iikuni.

人気を集める理由

以下個人的な見解になります。

カマコンバレー及びカマコンバレーの定例会が人気を集める理由です。地域活動自体が年齢や立場を超えて集まりやすい場ではあるものの、その中でもカマコンバレーらしさを感じるものをまとめてみました。

 

1, 新鮮さと多様性

僕自身とても飽き性だと思っています。が、定例会は毎月参加しているのに、さほど飽きません。その理由はプレゼンターが毎月変わるからに尽きます。

過去のプレゼンターの最年少は高校生。最高齢は70歳を超えた女性です。多種多様な人たちが参加し、それぞれが持っているいろんな課題が出てくるから、なかなか飽きることがありません。

また、参加者も同様に老若男女さまざまな人たちがいるので、ブレストで出るアイデアもバラエティ豊富です。例えば、地元のお寺を使って何かやりたいと考えたときに、普通はなかなかお寺とのパイプはありませんが、その場にお寺の知り合いがいる人が参加していて、繋がっていくような事例がよくあります。新鮮さと多様性のバランスが良いのが特徴です。

 

2,仕組み化

定例会バージョンアップチームという有志のチームがあります。このチームでは毎月定例会をブラッシュアップさせる動きをしています。このチームから生まれた仕組みの一つがメンター制度です。

プレゼンターに対し、カマコンバレーのメンバーがメンターとしてつき、プレゼン資料のブラッシュアップや、事前リハを行ってから、プレゼンターは定例会に臨んでいます。

メンターがつくことでプレゼンのクオリティが上がり、定例会の参加者にとって面白いプレゼンになるし、プレゼンターにとっても、自分のプレゼンがより理解され、より良いブレストの場となり、より良いアイデアを得ることができます。

このような改善の仕組みがいくつもあります。

 

3,アイデアを出すことは楽しい

定例会の場は「ブレストをする場所」と定義付けされています。つまり、アイデアを出しまくる場所です。普段なかなかブレストをする機会がない人にとって、アイデアを出す行為自体が楽しいものなのだと最近気が付きました。

ただ、ブレストで大事なことは、やみくもにブレストをするのではなく、場を取り仕切るファシリテーターが重要な役割を担います。ファシリテーターがどんなアイデアに対しても、きちんと承認し、盛り上げることで、アイデアを出しやすい場が生まれます。

そうなると、みんながドンドンアイデアを出して、参加者の満足度も高まります。(ブレストに慣れている人が多い場であれば、ダメ出しもありですが、定例会のように慣れていない人が多いケースでは基本全承認が良いと思います。)ちなみにカマコンバレーでは、ファシリテーターを養成するためのチームもあります。

 

4,ぜんぶジブンゴト化

カマコンバレーの理念として使われている言葉です。「ぜんぶジブンゴト化」どんなことであろうとも、自分のことだと思って取り組むスタイルのことです。

カマコンの定例会が行われる2時間は、普段関心のないことでもジブンゴト化して取り組もう。

そんなスタイルを毎回参加者の方に説明して実践しています。前述したような色んなチームができることも、カマコンバレーの課題をどうにか解決しようと勝手に言い出した人がいて、そこに同調した人が集まってチームが生まれています。

ジブンゴト化して、勝手に解決するために動いている人たちということですね。そういった人たちが集まるから、上手く回っている部分が数多くあるのだと感じています。

 

5,人が人を呼ぶ

カマコンバレーが上手くいっている理由をいろいろと話していた際に、鎌倉だからできているのではないかと言われることが多々ありました。

確かに鎌倉にはユニークな人が多くいると思います。例えば、カマコンバレーを創設したメンバーのうちの1人は昨年末に上場した面白法人カヤックのやなさんです。やはりネームバリューもあるし、人を連れてくることもできます。そういった人がいるから、カマコンバレーは上手くいったのではないかと言われると、確かにそうですね。という面は間違いなくあります。

が、最近地方で展開していて、かつその地方で継続して動いている姿を見ていると、鎌倉だから云々の議論は不毛だなと分かりました。例えば、今年定例会を実践した長野県白馬村。人口9,000人です。9,000人の村でも、初回からユニークな人たちが50人くらい集まって、とても盛り上がっていました。

兵庫県の丹波市も結構な田舎ですが、継続して活動しているようです。つまり、街のサイズや地域色は関係なくて、ヤル気のある人が力を入れてやるかどうか次第というわけです。そういった人が最低2人ででも組んで仲間になってやれば、仲間が仲間を連れてきます。

アイデアを出す場自体が楽しいのですから、一度参加したら、参加者が新たな仲間を連れてきます。そうやって、ドンドン輪が広がっていきます。力のある人が立ち上がって、楽しい場づくりをする。そうすると人はドンドン集まる好例がカマコンバレーなのだと思います。

カマコン

カマコンバレーの組織の特徴が通ずるもの

カマコンバレーが上手くいっている理由をまとめてみましたが、このようにして特徴をまとめると、会社という組織においても同様の取り組みや視点が重要だと感じられます。そもそも経営者が集まって作った組織なので、上記の特徴は全て経営者が日常的に行っていることだということが分かります。

会社を新鮮な状態にしないと腐っていってしまいますし、組織運営の上で仕組み化は重要です。アイデアを出すことも日々行うことですし、会社のジブンゴト化は経営者からすると当然のことです。そして、会社の規模を拡大していくためには、人が人を呼ぶような組織でないと人材も集まりません。

経営者が集まって作り、育ててきた組織だからこそ、このように会社と似た特色がカマコンバレーにはあるのかもしれません。地域コミュニティを運営していくうえで、参考になれば幸いです。