10年先以降を見る農業。日本一を目指すアスパラガス農家の方が描く未来

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世の中に仕事の種類は数多くありますが、時間に対する感覚はさまざまです。

IT業界でよく使われる手法の一つとしてA/Bテストがあります。

キャッチコピーの文言を変えたり、画像を変えることで購買率がどれだけ変わるのか検証し、より効果的になるようテストマーケティングしていく手法です。A/Bテストは1日の中でも数時間毎にパターンを変えて結果を取れるくらい即時にフィードバックが返ってきます。

このような短期的な成果が分かる仕事と反対に、長いスパンで結果が分かる業界があります。

その代表例が1次産業。

例えば、林業は苗木を植えてから数十年先にようやく収穫できます。もう少し時間は短くなりますが、農業も同様に成果が出るまで時間が長い仕事の一つです。

先日、北海道の内山さんというアスパラガス農家さんを訪ねてきました。

北海道美唄市で6haもの敷地でアスパラガスを生産されています。年間の収穫量はアスパラガスだけで20トンにもなるそうです。

inahoではアスパラガスの自動収穫ロボットを開発するべく動いており、各地の生産者さんを訪ねてお話を伺っています。

地域や人によって、生産方法や収穫時期。こだわっているポイントも違い、話を聞くだけでもとても面白いです。

先日とある地域を訪れた際に、農家さんとこんな会話がありました。

菱木「アスパラガスの栽培方法って体系化されていて、確実に良い方法ってあるんですか」

農家さん「これが確実といったものはないんだよね。この近くでも、とても研究して土に微生物を与えたり工夫をしている人と、ほとんど何も手をかけない人の面積当たりの収量が一緒だったりするんだよ」

驚きでした。一生懸命手をかけている人と、ほとんど手をかけない人が同じ収穫量だなんて信じられません。このエピソードを紹介しながら、内山さんに意見を伺いました。すると、とっても面白い答えが。

「確かにアスパラガスは最初の10年間はアスパラガス自体が育とう、育とうとするから、何も手をかけていなくても収穫できる。ただ、10年を越えると、それまでに手をかけた積み重ねが結果に出るようになるよ。父の代含めて40年やっているから間違いない。10年先から後にどれだけの収量が取れるかは、それまでの努力次第なんだよ。」

面白いですよね。僕も勉強しだして知ったのですが、アスパラガスは20年収穫できる野菜です。一度地中に植えたものが20年間アスパラガスの芽を伸ばし続けるのです。

実行したことに対して、どうやって、いつ、どのように成果が出るのか。

Webの世界であれば数値化できるものが多々あります。そして検証もすぐにできます。しかし、農業の場合は、48つのことを重ねても、49のことを重ねても結果が出ず、50のことを重ねた途端に多くの成果が出ることがよくあるそうです。

農業は科学の世界だけれども、これと一つを切り取って分かるものでもないのです。自然が相手だから。

だから、いかに当たり前のことを、結果が出る出ないに関わらずやり続けることが大事だし、そこには経験もノウハウもあるもの。10年先を見据えて目の前に成果として現れないことをどれだけできるのか。

そこに農家として携わる人達の楽しみがあるのかもしれません。でも、だからこそITの力を駆使して50のことを重ねるノウハウを分解して分析し、何が良いのかを体系立て、何をすれば効率的かを見える化できたら面白いなと感じています。

10年先の未来に対して、今何ができるのか。

アスパラガス農家の将来の目は遠い未来を見据えています。

農業って面白いですよね。

 

<ご案内>

内山さんのアスパラガスが直接購入できるWebサイトです。
*今はまだ時期ではありませんが、4月頃〜購入可能です。

http://uchiyamanouen.com/

内山さんのブログです。熱いですw

http://hiroshicommit.blogspot.jp/