農業用ロボットの開発を始めようと思ってから今に至るまで
収穫ロボットの開発を進めていますが、「なんでやろうと思ったの?」と聞かれることが結構ありますので、せっかくなのでblogでまとめてみようかと思います。
ハードウェアやってみたいけど、一切知識がない状態からどうやってやれるのか。といっても、現段階ではまだプロトが作れていない状況なので、経過報告です。
それでも、なにかの参考になるかもと考え、まとめていきます。
AIを扱った事業をやりたい
かれこれ3年くらい前からThe Wave塾の事務局をやるようになりました。
湯川さんというITジャーナリストの方が主宰している塾なのですが、時代の2歩先の学びをテーマに開催されています。
昨年末くらいから、世の中で急激にAIの話が盛り上がっていますが、The Waveでは一昨年くらいからAIをテーマに勉強することが数期続きました。(The Wave塾は期毎にテーマが違うのですが、珍しくAIが続いてました)
講師で来た方は、東大の松尾先生や、ドワンゴの人工知能研究所所長の山川さん、PFNの西川さん等々。AIに関するトッププレイヤーの話を聞く機会に恵まれました。
となると、やはり思いますよね。
「自分もAIを活用して何かやりたい。」
話を聞けば聞くほど、これからの時代に欠かせないものになる感じはする。
ただ、具体的に何をテーマにするべきなのか。
自分自身が技術者でもないから、どうやって、誰とやれば良いのか。
考えてもなかなか答えが出ない時期が続いていました。
アメリカの最新事例
いろいろと模索している中、リクルート社が人工知能研究所を設立したときのメンバーである、とある方が講師でいらっしゃる回がありました。
その方はアメリカで人工知能が活用されている最新事例の話をいくつも展開します。
フィンテック、ヘルスケア、HR。さまざまな面で活用が始まっています。
その中で個人的に興味を持ったのがBLUE RIVERという会社です。
この映像内で何が行われているかというと、トラクターにカメラを積んで、カメラが野菜の成長度合いを測定し、自動的に間引く仕事を人工知能が行っています。
リアルな人の大変な仕事を、人工知能で画像認識することで負担を少なくすることに、テクノロジーの有り難みを感じる事例でした。
そして、たまたまこの話を聞いた翌日に、鎌倉野菜の若手農家の友人と飲む機会があったんです。
話のタネとして、農作業の現場でも人工知能が用いられている話を展開しました。
菱木「今アメリカでこんな技術が用いられているんだってさ〜」
農家「それ確かに凄いっすね。でも、もっとやってもらいたいことありますよ」
菱木「えっ、こんだけ凄いのにまだなにかあるの?」
農家「雑草抜いてもらいたいっす。大変なんで」
方向性が見える
雑草が抜くのが大変とのことを聞いたのですが、その時思いつきました。
「成長度合いを画像認識して、成長し過ぎな野菜を間引く技術が既に世の中にあるということは、野菜か雑草かを見分けて、雑草だけ抜くこともできるのではないだろうか」
ようやく仮説が生まれました。
1年以上AIの勉強をし続け、今取り組まれていないであろうテーマが見つかった瞬間です。
最近人工知能が盛り上がっている一つの要因の技術はディープラーニングです。
詳しいことはググッてもらとして、ディープラーニングの得意領域は画像処理です。
簡単にいえば、今までの世の中では難しかった画像の判断が、格段に効率的に解析することができるようになったことで、盛り上がりを見せているわけです。
雑草か野菜を見分ける。
今の技術トレンドを考慮しても画像認識を人工知能で行うことは、なかなか良い筋であろうと思われるわけです。
よし。なんかできそうな気がする。
でも、どうすればできるのか。
そもそも本当に画像認識できるものなのか。
暗中模索の中、次のチャンスが目の前にあらわれます。
*長くなってきたので次回に続きます。