【インターン体験記】スマート農業の現場でやりたいことが見えてきた

まだまだこれから、伸び代だらけのアグリテック業界。アスパラガスの2回目の収穫シーズンである夏は、自動収穫ロボットの運用・開発・改善の真っ盛りで大忙し!そんな中、この夏も全国から複数の学生さんが長期インターンシップに参加してくれました。

今日お話してくれるのは、関東の農業大学に通っている「須田さん」。1ヶ月のinahoのインターンシップについて、学んだこと・感じたことについて語ってもらいました。

 

誰もやっていない分野に挑戦してみたいと思った

ー須田さんは、大学で農業について学んでいるんですよね。まずはじめに、かんたんに自己紹介をお願いします。

 

今年の8月から約1ヶ月間、inahoのインターンに参加した須田です。普段、大学では熱帯農業、わかりやすく言うと、東南アジアやアフリカで育てられる作物について主に学んでいます。その中でも稲、豆、芋類などの主食となる作物を専門に勉強しています。大学に入る前、浪人しているときに趣味で家庭菜園を始めて「野菜をつくるのが好きだな」と思ったんです。それがきっかけで、農業系の大学に進学しました。

 

ーinahoはアグリテックの会社ですが、実際に参加してみて普段勉強していることと共通するポイントはありましたか?

 

全然ないですね(笑)。同じ農業でも、主食となる作物と野菜って全然違うんですよ。普段は野菜の勉強はほとんどしていないですし、機械系もまったく勉強したことがないので、最初は戸惑うことも多かったです。

▲インターンのメイン拠点となる、inahoの佐賀オフィス

ーそうなんですか!違う分野にも関わらず、inahoを見つけてもらったのはとても有難いです。インターンはどうやって探したんですか?

 

「スマート農業」「ベンチャー」というキーワードで調べて、検索上位にあったWantedlyからinahoを見つけました。もともと、スマート農業に携わる企業で将来働きたいなと思っていたんです。野菜の品目にはこだわらず、農業とテクノロジーを組み合わせた事業を行なっている企業を探していました。

 

大学生の私から見ても、今の日本の農業は「正直、就職するにはちょっと……」と感じている人が多いと思うんです。就職してもあまり安定しないというか。その状況を変えるために何をしたらいいんだろう?と思って、6次産業化など色々調べました。

その中で私が一番魅力的だと思ったのが「スマート農業」。誰かが既にやっていることよりも、誰もやっていない分野に挑戦してみたいと思ったんです。

 

ーまだテクノロジーの入っていない業界で新しい挑戦をする醍醐味、普段農業の実習にも参加している須田さんだからこその気づきがあったのでしょうね。インターンに応募したきっかけを教えてください。

 

就職活動にあたって自己分析をする中で、大学卒業後に農業関連の道に進むのか、スマート農業の道に進むためにITの勉強をするのか、というところで迷っていて。

スマート農業の現場を見たことがなかったのでまずは自分の目で見てみたくて、カジュアル面談を受ける前から「インターンに行きたい!」と決めていました。他にもスマート農業の企業を調べましたが、大学生のインターンは募集していないか、あっても1日体験など短いものばかり。inahoは1ヶ月以上の長い期間、現場をたっぷり体験できるのも魅力的でしたね。

 

実は私、inahoのインターンに来るまではドローンとロボットの違いもよく分かっていなかったんです(笑)。実際に現場を見て今はまだ実用化されていないロボットをつくる開発の難しさも知ることができたし、ロボットだけでなく、ドローンのように比較的研究が進んでいる分野のことも勉強するようになりました。

 

自分の知識のなさを実感できたのが一番の気づき

ーインターンでは、どんな業務に取り組んでいますか。

 

ロボットの運用や、運用に行ったときに取ったデータの整理、あとはwebメディアでのアルバイト経験を活かして、農家さんをインタビューした動画の編集などもしています。

色々なことに取り組ませてもらっていますが、私は特にアグリコミュニケーター(※1)の方とお話しすることが多いです。農業の話から、それをどうロボットにつなげていくか?を話してくれるので、聞いていて面白いですね。

 

※1 ロボットの導入支援や運用時のサポートなど、農家さんと密にコミュニケーションを取りながらビジネスを一緒に作っていくチーム

 

先日は初めて営業に同行させてもらいました。ちょうど他県で視察を行った後だったのですが、その地域で成功しているアスパラの畝の作り方や育て方の情報を佐賀の農家さんに共有したり、農家さんにはもちろん、ロボットにも作物にもよい環境とは何か?についてお話をしたり。

同じことを伝えるにしても、話の流れによってスムーズに受け入れられるかが変わってきますよね。話の引き出し方や共感力、こまめなコミュニケーションはスマート農業に限らず何事においても大事だなと実感しました。

ーinahoは農家さんと一緒にビジネスをつくっていく会社なので、兼業農家のメンバーがいることも他の会社にはない特徴のひとつかもしれませんね。須田さんは今回のインターンにおいて、何が一番の学びだったと思いますか?

 

動画編集や営業など学んだことは多いですが、自分の知識のなさを実感できたのが一番の気づきでした。

農業大学に行っていると言っても専攻している作物が全く別なので、アスパラについては何も知らなくて。ゼロから始めたので、そこの知識はめちゃめちゃつきました。また、自動収穫ロボットも「もう完成して次々と導入しているのかな」くらいに思っていたのですが、エンジニアのみなさんが日々課題を見つけて、試行錯誤しながら改善を繰り返しているのも新しく知れたことです。

▲ロボットを導入している農家さんのビニールハウス

インターンに参加するまでは、漠然と「ロボットを開発できる人は希少な存在なのかな」と思っていたのですが、いざ現場に入ってみると農業の知識を持っていることが強みになることもあるんですよね。

自分の中で掘り下げていくべきポイントに気づけたのも学びの一つ。私はわからないことがあったらとことん調べるタイプなんです。調べることに苦がないというのは、強みかなと思いました。

 

社宅で過ごす朝の時間も活用するようにしていて。インターンの時間とそれ以外の時間をなるべく分けて、業務時間内は作業に集中して、自分の時間にアスパラの知識や他のIT系の知識を勉強するようにしています。

▲気になることはスマートフォンにメモして調べる習慣をつくっている

 

「いつも成長できている」実感が持てる楽しみ

 

ー地方で長期インターンの戸惑いはなかったですか?

 

今まで地方で農業のインターンに参加してきたので、それほど抵抗はなかったですね。地方や海外の長期インターンも行ったりしたのですが、体調を崩すことが多くて。正直、今までは「辛い!」と思うことが多かったんです(笑)。

インターンというより実習に近くて、参加する前に想像していた内容と違う、と思ったこともありました。社宅があるので自炊できる環境もあるし、ここ(佐賀)に来てからは体調を崩していないので、バランスよく楽しめているんだなと思いますね。

▲休日には、インターン仲間や社員と一緒に嬉野温泉まで足を伸ばすことも
▲社宅での団欒のひととき

ーそれはよかったです。インターンでの生活を通して、須田さんがいま「楽しい!」と感じていることについて教えてください。

 

inahoのインターンではだいぶ学習意欲がそそられています。自分の目指す方向において「学びがあるかどうか」はすごく大事。

いつも実習に行くと毎日同じ作業の繰り返しになることがほとんどで、ある意味マンネリ化してくるんですよ。それほど新しい発見があることって少ないんです。でも、inahoでは毎日何かしらの新しい発見があって「自分でも積極的に調べてみよう」と思える機会も多いので、それらすべてが楽しいなと思っています。

今週からアスパラガスの勉強を始めたところなのですが、本当に知らないことばかりで。

inahoのインターンに来たばかりのときは「アスパラガスはビニールハウスで育てるのが一般的なのかな」と思っていましたが、露地栽培のアスパラガスが多いことも初めて知りました。実習でいろいろ野菜についても勉強してきたけれど、栽培方法ひとつとってもいろんな種類があるんだな、農業って果てしないな、と思います。

 

他の地域や大学から参加しているインターン生のメンバーは、専攻していることはもちろん違いますし、ストレングスファインダー(※2)でいう「収集心」がある人が多くて刺激を受けましたね。inahoでは本当に、多様な人が働いているなと思って驚きました。

 

「自分がいつも成長できている」という実感が持ててすごく楽しいです。知らないことが多すぎて、とりあえずメモしてあとで調べる、ということも日常的にやっています。

 

※2 米国ギャラップ社の開発したオンライン「才能診断」ツール

 

ーinahoでのインターン経験をこれからどう活かしていきたい、というイメージはありますか。

 

この1ヶ月を通して、私はITというよりは「農業」を軸に進路を探っていこうと決めました。もともと将来の方向性を定めるのが目的で参加していたので、そこが決まったのは大きかったです。inahoに入ったらみなさんやっている、ストレングスファインダーも自己分析に役立っていますね。私は未来志向、目標志向、回復志向、戦略性、活発性。読んでいて、その通りだなと思いました。

 

inahoでインターンを始めて思ったのですが、ロボットを入れるような最先端の農業をやろう!という入り口で就農される方は今は少ないですよね。農業やテクノロジーの知識を身につけて、新しい農業の形をたくさんの人に伝えていけたらおもしろそうだなと考えています。

ー1ヶ月間のインターン、お疲れ様でした。全体を振り返ってみてどうでしたか。

 

社員のみなさんからはもちろん、同じくインターンに来ているメンバーからも多くのことを学べたと思っています。意欲が高く勉強熱心な人たちばかりで、将来について話し合ったり、わからないことを教え合ったりできる貴重な仲間を見つけることができました。

また、農家さんとの会話やセミナーの参加を通して、農業が置かれている現状について理解を深められたことは自分の将来を考える上でとても重要な機会になりました。

 

ーまだ色々と整っていない会社ながら、カオスな状態も楽しんでいただけてよかったです!これからinahoのインターンに参加する方に向けて、一言お願いします。

 

inahoではとにかくいろんなことに挑戦させてもらえるので、やってみたいことがあるなら「やりたいです!」とどんどん主張していくのが大切だと感じました。

また、社員さん、学生インターンともに面白くて親しみやすい人が多いので、インターンに参加した際には積極的にお話してみてください!自分の将来や考え方など、きっとさまざまな刺激を受けることができると思います。

 

 

ー須田さん、本当にありがとうございました!

RECRUIT

inaho株式会社では、長期インターン・アルバイトを募集しています。

勤務地はオンライン、新潟県新潟市を予定。多拠点ワークに挑戦したい方、社会人インターンも歓迎です!ご興味をお持ちいただけた方は、ぜひお問い合わせください。