私たちは未だ誰も成功していない「選択収穫野菜の自動化」という領域で、自動野菜収穫ロボットをRaaS(Robot as a Service)モデルで展開し、「高齢化」「儲からない」「重労働」「休みがない」といった日本の農業における人手不足と経営課題の解決にチャレンジしています。
このチャレンジには多くの方に共感いただき、ご支援をいただいています。また嬉しいことに「一緒にチャレンジしたい!」という方も多く、2018年の冬から採用活動を始め、AIベンチャーや大手メーカーなどさまざまな業種からメンバーが集まりました。
今回はinahoの中でも、最も農家さんと距離が近い「アグリコミュニケーター」についてご紹介します!
私たちは自動野菜ロボットをハードウェア、ソフトウェアともに自社で開発しています。具体的には下記のような役割分担で開発を行っています。
■サプライチェーンマネジメント
ロボットの量産化に向けて、部品の調達やサプライヤーとの折衝、量産工場との調整折衝、金型管理などを行います。
https://www.wantedly.com/projects/403556
■コンピュータービジョンエンジニア
ロボットが、収穫対象の野菜を認識し、ロボットアームで収穫できるようにする”認識・制御アルゴリズム”の開発を行います。
https://www.wantedly.com/projects/286727
■機械設計エンジニア
移動体とロボットアームの機械設計を行います。物理的に農作物を収穫するうえで、移動体やアームといった機械的なハードウェアは必要不可欠です。
https://www.wantedly.com/projects/167656
■電気・電装設計エンジニア
ロボット全体を考えながら、電源・モーターなど電装部分をハンドリングします。
https://www.wantedly.com/projects/230994
■ロボットシステムエンジニア
移動体やロボットアーム、システム全体の制御ソフトウェアの設計、実装を行います。
https://www.wantedly.com/projects/367613
■Webアプリフロントエンドエンジニア
ダッシュボード (収穫のログ /データの可視化 )やコントロール (経路選択 / 経路設定 / 自動収穫のモード設定 )等の開発を行います。
https://www.wantedly.com/projects/322985
■ロボット導入サポートインターン・短期アルバイト
ロボット導入に向けた圃場整備やテストサポート、農家さん所在マッピングなど、アグリコミュニケーターのサポートを行います。
https://www.wantedly.com/projects/399728
■一般事務 営業事務
経費精算/小口管理や社内システム等入力・管理、出張手配など、一般事務/営業事務を行います。
https://www.wantedly.com/projects/376727
このような役割分担で開発を進めていくのですが、これら開発チームだけではロボットを開発することはできません。ロボットの開発にも普及にも大きな役割を担うのが、今回ご紹介するアグリコミュニケーターです。
アグリコミュニケーターという職種は一般的な名称ではないため、聞いたことがない方がほとんどですよね。簡単に説明すると、農家さんとともににロボットを運用しながら、世界にロボットを拡げていくお仕事です。
具体的には、主に下記のような仕事があります。
①現場の農家さんと共にロボット運用→改善要望を開発にフィードバック→開発促進
②稼働ロボットの修理/メンテナンス対応
③ロボット視察の対応
④九州地方での事業企画/サービス設計※RaaS (Robot as a Service)/農業ビジネスモデルの確立
もちろん、これだけでなく事業企画やサービス設計、市場調査、マーケティング、農家さんへの新規アプローチ、コンサルティングも行うので、アグリコミュニケーターはロボットに関するコミュニケーション全般を担う仕事とも言えます。
さらに、今後は拠点をベースに地域の方々と交流していくことで、地域コミュニティの活性化にも貢献していきます!
主な業務について、少し詳しく解説します。
①現場の農家さんと共にロボット運用→改善要望を開発にフィードバック→開発促進
アグリコミュニケーターの最も重要な役割は、農家さんにロボットをご利用いただく際の導入支援や運用時のサポートです。
自動野菜収穫ロボットは今までにない新しいジャンルの機械なので、農家さんは導入を慎重に検討します。そのため、、興味を持っていただいた農家さんの相談に応じたり、導入農家さんにロボットの操作方法やRaaSモデルの仕組みを丁寧にご説明したりすることが重要なのです。
また、ロボットに対する農家さんの感想や要望をくみ上げて、それを開発チームにフィードバックすることもアグリコミュニケーターの役割です。
実際に作物を栽培~収穫する現場を知らないと農家さんが求めているモノ・サービスをつくることはできません。農家さんの作業工程、収穫するタイミング、収穫を終えたアスパラガスの取り扱いなどを理解した上で、どこに課題があるのか?その課題を解決するためにロボットをどのような仕様にすれば良いのか、開発チームとディスカッションして、ロボットのアップデートを促進します。
②稼働ロボットの修理/メンテナンス対応
ロボットは販売するのではなくRaaSモデルで農家さんに提供するため、私たちはロボットのパーツを最新のものに交換したり、ソフトウェアをアップデートすることができます。これにより、農家さんは常に最新のロボットを利用することが可能になるんです。
また万が一ロボットが故障した際は、すぐに代替機をお持ちし、故障したロボットのメンテナンスも行います。ロボットが故障して動かなくなると、それだけで農家さんの売り上げが減ってしまいます。そして、ロボットが収穫した量に連動するビジネスモデルを採用しているinahoにとっても売り上げに影響してしまうんです。
このアップデートや故障対応で農家さんの窓口となるのがアグリコミュニケーターです。
進化したロボットの説明をしたり、ロボットに関する専門性高いスキルをもつテックアグリコミュニケーターと連携して故障の原因究明や対応策を行います。
③イベント出展やロボット視察の対応
ロボットやRaaSモデルをより多くの方にご理解いただき、より多くの農家さんにご利用いただくために、佐賀県を中心に各地でイベント出展や講演を行っています。
このような場で活躍するのもアグリコミュニケーターです。イベント出展の準備や当日のロボット操作、事業内容のプレゼンテーションを行い、来場者の方々にご説明します。
このようなイベントの機会では、デモンストレーションやプレゼンテーションをご覧になった多くの方と情報交換させていただくことがあります。
ロボットやRaaSモデルに対して、さまざまな声をいただきます。
・ついに、こういう(収穫自動化の)時代が来たんですね
・農家にとって初期費用が無いのはとても助かる
・随時ロボットの性能がアップデートされるのは嬉しい
それと同時に、ご要望もたくさんいただきます。
・早くイチゴにも対応してほしい
・北海道にはいつ頃に進出するのか?
・雑草を刈り取る機能もつけてほしい
このような作物拡大、拠点増設、機能拡張に関する内容は特に多く、国内外問わず農家さんをはじめとする農業に関わる方々、農業参入を検討する方々から直接ご意見をいただける貴重な機会です。
私たちは「現場」をとても大切にしています。農家さんがどんなことに困っていて、どんなモノ・コトがあるとそれが解決されるのか?、それを知るためには実際に農家さんのもとにお邪魔して、圃場を見て、お話を聞き、農家さんの働き方に触れることが必要です。
アグリコミュニケーターはその最前線に立って、農家さんとコミュニケーションを密に取って、ロボットの導入を行い、開発のヒントを得ていきます。
ときには、農家さんの圃場と同じような環境を自分たちの手で作ることもあります。
また、自然災害で被害を受けた農家さんの施設を一緒に修理する、という一見業務と関連がないようなことも行います。
これは私たちがロボットを開発するだけのメーカーではなく、「農家さんとともに共同事業を行うサービス事業者」と自分たちのことを位置づけているためです。
ロボットを販売するのではなくサービスとして提供するRaaSモデルは、ロボットが進化すると農家さんの生産効率が上がり、農家さんの収益が向上するとinahoのサービスも拡大する、まさに農家さんとともに成長するビジネスモデルです。
RaaSモデルによる自動野菜収穫ロボットのサービスはまだ始まったばかりです。これから導入台数の拡大や拠点増設、新規事業の立ち上げなど、やるべきことはたくさんあります。このやりがいある挑戦に興味を持っていただいた方は是非ご連絡ください!
<文=inaho広報>
inahoではさまざまな働き方で活躍するメンバーがいます。2拠点生活や移住、業務委託やインターンなど、その働き方はさまざまです。詳しくは各募集ページをご参照ください。